あなたは交渉でこんな間違いをしていませんか~ハーバード流交渉術~

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ここ最近、交渉を学びたいという人が増えてきました。「交渉を学ぶ必要があるのは営業マン」と勝手に思い込んでいましたが、実は営業部門以外の方が学ばれているケースが多いのです。

なぜなら、①今まで交渉についてきちんと学んだことがない、②「駆け引き型交渉」ではうまくいかないからです。

交渉はコミュニケーションスキルですが、国民性の違いにより国ごとに特徴があります。ただ、デ・ファクト・スタンダードも存在しています。

もし、あなたがこれから交渉を学ぶのなら、デ・ファクト・スタンダードであるハーバード流交渉術を学ぶことをおすすめします。

あなたの交渉が間違っているわけ

以前、交渉に関してオレンジ姉妹についてお伝えしましたが、読んでいただけましたか?
参考記事:オレンジ姉妹が教えてくれた交渉スキルを身に付ける方法

あなたが今まで交渉と思ってきたのは、駆け引き型の交渉です。「やるか、やられるか」、「勝つか、負けるか」というゼロ・サム型の交渉ともいわれるものです。

ちょっと下の図で確認してください。

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限られた100というパイを2人で分けるとしたら、このようになってしまうケースが多いです。50と50という分け方もありますが、大抵の場合は力関係などによりどちらかに偏った形になることが多いです。あなたも経験があると思います。
※パイ・・・限られた市場の限られた利益のこと

ゼロ・サム型の交渉は、まとまりにくく、仮にまとまったとしてもどちらかから不満が出てしまう。そんな交渉です。不満が出るのでいい関係が構築できません。その場限りで勝った負けたの話になります。

では次の図をご覧下さい。

zero-win

もし、100だったパイが150になったらどうでしょうか?あなたと相手の取り分の割合は先程のゼロ・サム型交渉時と同じ60対40ですが、取り分はあなたが90、相手は60と増えています。

相手はあなたより少ないですが、ゼロ・サム型交渉において不満が出にくい50対50で分けた場合よりも10増えるので、不満が出にくくなります。

ゼロ・サム型交渉に対して、Win-Win型交渉と呼びます。そして、100のパイを150に増やすことを価値創造と言います。

「そんなことできるのか」とあなたは思うかもしれませんが、何も数値化されるものを増やせということではありません。価値を創造すればいいのす。数値化されるものはそんなにはないです。

例えば、相手の優先順位の高い条件と、こちらの優先順位の低い条件を交換できるように話し合いをすることもひとつです。

もしあなたが交渉をする時は、まずはこのパイを増やすことができないかを真っ先に考えることです。これがすべての交渉のベースとなります。パイの増やし方に関しては研修などでお伝えしています。

ハーバード流交渉術とは

名称だけ聞くととても難しそうです。凡人には理解できないのではと思いがちですが安心してください。むしろあなたが今までやってきた駆け引き型交渉の方がずっと難しかったのです。

ハーバード流交渉術とは、ハーバード大学交渉学研究所のロジャー・フィッシャーとウィリアム・ユーリーがその著書「GETTING TO YES」で論じている交渉術です。

原則立脚型交渉とか、利益満足型交渉とか言いますが、簡単に言うとWin-Winの交渉のことです。

ハーバード流交渉術には4つの基本的要素があります。

人と問題を分離せよ

あなたが今、交渉をしているとします。なかなか上手く進みません。そうなるとあなたは交渉の内容よりも相手に対してイライラしてきます。

会議で経験している人が多いですが、「何を言ったか」よりも「誰が言ったか」と同じです。同じ事を言っても、あなたのことは受け入れてくれないけれど、同僚のA君が言ったらすんなり受け入れてくれる。

まさに人と問題を混同しています。

これを打破するには、問題をホワイトボードに書き出すことです。みんなの視線をホワイトボードに集めれば、自然と人と問題が分離され、問題にフォーカスすることができます。

立場でなく利害に焦点を合わせよ

交渉はお互いの利害を最大化することです。フォーカスすべきは利害です。

行動について決定する前に多くの可能性を考え出せ

Win-Winの交渉を心がけていてもいざその場になると、すっかり忘れてしまい、自分の利益だけに固執する言動をし始めます。さらに悪いことに、そんなあなたを見てまるで鏡のように相手も同じ言動をし始めるということです。

解決案はひとつではなく、それこそ無限にあるという認識で交渉に臨むことです。相手が気付いていない解決策が突然降りてくる時もあります。この点はコーチングスキルが使える方だと有利です。

結果はあくまでも客観的基準によるべきことを強調せよ

交渉中、突然相手の発言内容に関して、「それは何を基準にしたものなのか?」と不思議に思ったことはないですか?交渉がヒートアップしてくると、無理難題に近いこと、それは極端だ、ということを平気で言ってきます。

このような場合、あなたがとるべき行動は、法律などのルール、世間一般の意見、慣習、公平な基準を示すことです。

交渉術における心理学

交渉はお互いの利益を最大化するための話し合いですが、心理学も必要になります。心理学というと相手を誘導、うまく操るも野と考える人がいますが、交渉の場面ではWin-Winを築くために使うのだと認識してください。

なので、心理テクニックはたくさんありますが、ここでは段階的要請法で代表的な2つをご紹介します。

フット・イン・ザ・ドア・テクニック

最初に相手が受け入れやすい小さい要請をして、相手がそれを受け入れた後、本来受け入れてほしいより難しい要請をすることです。

(例)正規でお願いすると15,000円程度必要なエアコンの掃除を3,000円で案内し受注する。その後、キッチンやお風呂のリフォーム、高額な外壁塗装などの本来受注したいサービスを販売していく。

小さな要求(3,000円のエアコン掃除)に「イエス」といってしまったために途中から断りにくいという心理を利用したケースです。

ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック

フット・イン・ザ・ドア・テクニックとは逆で、断られて当然だろうという大きな要請をし、断られた後に本来要請してもらいたかった最初より小さな要請をします

人は最初に断って、再度断るというのがなかなか出来ません。申し訳ないと感じます。また小さな要請というあなたの譲歩に対して、何かお返しをしたいという「返報性」も働きます。

(例)僕の例ですが、バリ島に観光に行った時です。「1,000円、1,000円」と小さな子供たちが時計をすすめてきます。当然断りましたが、その後ミサンガを取り出し、「50円、50円」というのです。結果、僕はミサンガを5個買ってしまいました。

ドア・イン・ザ・フェイス・テクニックそのものです。

交渉術に関するおすすめ本

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書店に行くと多くの交渉関連書籍を見ることができます。たくさんある中で、まずはこの4冊をおすすめします。コンパクトでいつも鞄に入れておくには最適です。何度も何度も繰り返して読みたいです。

特にハーバード流交渉術 (知的生きかた文庫)ハーバード×慶應流 交渉学入門 (中公新書ラクレ)は必読です。ぜひ購入して何度も何度も読んで学んでください。

ハーバード流交渉術を本格的に学ぶには

日本では交渉を学べる機関が少なく、僕も困った経験があります。いろいろ調べていくうちに交渉アナリストという資格を保有していた方と知り合いになり、その方の紹介でここで学びました。

特定非営利活動法人日本交渉協会

学ぶには3ステップあり、
1)通信過程で交渉の基礎知識を身に付ける
2)2日間の実技研修を受ける
3)分析テスト、レポート課題、面接、に合格する
となります。(現在のカリキュラムと変更があるかもしれませんので、協会のサイトで確認してください)

これらをすべてクリアして交渉アナリストと認定されます。この資格は交渉のスペシャリスト、達人という意味ではなく、Win-Winの交渉、価値創造型の交渉をきちんと理解して実践できるという意味が強い資格です。

僕自身もWin-Winでなかったり、価値が創造できなかったりすることが未だに多くあります。交渉はコミュニケーションスキルだけあってとても奥が深いものです。

また、英語が堪能なあなたなら、本家のハーバードロースクール交渉プログラムのサイト
Program on Negotiationでも学ぶことができます。(フリーレポートなど充実しています)

まとめ

交渉を学ぶ人が増えていますが、日本では「交渉」という言葉のイメージがよくありません。なぜなら多くの人が、勝った負けたの「駆け引き型の交渉」を経験し、嫌な思いしかないからです。

Win-Win型の正しい交渉を学び実践することで、新しい価値を創造することができます。そうすることで、あなたも相手も満足度が高まり、いい関係を継続的に構築することができます。

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